COLUMN STAFF

vol.15
焚火とコミュニケーション

焚火とコミュニケーション

Naoya Satonaka

里中直也

(Snow Peak 京都藤井大丸 店長)

今年のお盆の終わり頃のこと。“寝待月のショー”という、森林の中で行われているイベントをお手伝いしたときのお話です。
“寝待月のショー”は、人の手つかずと言うような大自然の中でのキャンプ&音楽フェス。話をいただいた時、とにかく直感的になにかお手伝いしたいなと思いました。昨年のイベントに視察を兼ねて参加し、「これはよい方向に転がるに違いない」と、大きな可能性を感じたのを覚えています。
そして今年に入り、冬の終わり頃。イベント主催者の方と、ふたりで打ち合わせをしました。たぶん、ゆっくり話すのは、その時が初めてでした。主催者の方は若くしてフェスを主催し、自らもアーティストとして活動されています。自分とは全然タイプの違う人です。これがもし、居酒屋で話していたなら、さほど話は弾まなかったと思います。なんとなく。
「キャンプに関わる話をするので、焚火を囲みながら話しましょう」。そんなわけで、焚火が楽しめる場所を、打ち合わせ場所にしました。焚火を囲みながら話し合うこと数時間。交わした言葉の数自体はそんなに多くなかったと思いますが、色々なアイデアやイベント運営に関しての課題を共有。真っ暗で焚火の灯りしかなく、メモやノートは取れませんでしたが、焚火の前でお互いに普段より研ぎ澄まされていたように感じました。
実際に、この場所で話した事のほとんどが、そのまま形になりました。「ステージの幕をSnow Peakのタープにしましょう」と、僕が要望し、主催者の方は快く了承してくれました。焚火が終わる頃には打ち合わせも自然と終了し、イベントでは本当にSnow Peakのアイボリーカラーのランドステーションを、ひとつのステージに使っていただくことに。そして、イベントを通じて新たにたくさんの地域の方と交流を深めることができました。
イベント後はそれぞれが忙しく会えていませんが、ふたりの距離感をゼロにしてくれたあの焚火の時間は、特別な思い出として今も残っています。一緒に共有したキャンプの時間があれば、どれだけ久しぶりに話しても大丈夫。焚火がくれる良質なコミュニケーションは、それほどまでに素晴らしい。みなさんにも是非、体験していただきたいです。いつかどこかで一緒に焚火を囲みましょう。

ではまた何処かで。

焚火とコミュニケーション
焚火とコミュニケーション
焚火とコミュニケーション
焚火とコミュニケーション
里中直也(Snow Peak 京都藤井大丸 店長)
さとなか ・なおや/前職のアパレル企業での15年間に、販売、マネージメント、企画開発、マーチャンダイジングなどの一通りの経験を経たのち、スノーピークの姿勢に共感し入社。キャンプを通じて地域、ユーザーと繋がることをライフワークとしている。二児の父。