COLUMN PRODUCT

vol.01
Development of fire resistant material

Development of fire resistant material

Junya Suga

菅 純哉

(企画開発本部 Apparel企画開発部 開発課)

「難燃素材」。
あまり聞きなれない言葉である。素材自体が燃えにくい、引火しても火元から離れると沈火する特性もつ素材のことであるが、一般的には消防服や工場のワークウェアといった、限られた用途で使用されることが多い。従来のアウトドアでは、防水性や耐風性、吸水速乾性といった、主に風と水に対してどう対処をするか、という事に主体を置いて開発されている素材が殆どであるが、「焚火」という文化があるスノーピークでは、最も重要な素材のひとつだ。
焚火を囲んでユーザーの皆様、スタッフ同士が、火を見つめ、語り合い、繋がる。この素晴らしい人と人の繋がる文化の中で、より快適に焚火を楽しんで頂けるようにスノーピークアパレルは難燃素材の開発を行ってきた。
焚火の際に飛ぶ火の粉は物性融点の低い合繊素材を溶かしてしまったり、お酒が入った席で万が一焚火のすぐ傍にいて衣服に引火してしまっても、火元から離れれば自然に沈火する。人との人のつながりあう場をより安心して快適に過ごして頂くようにと、この素材にはそういう願いと思いが込められている。
難燃素材にも色々と種類があり、生地に薬剤を後加工するもの、難燃性物質を繊維の中に混有させるもの、難燃性物質のみで構成すること。後者になればなるほど難燃性は上がり、スノーピークアパレルは立ち上げから様々な手法、アプローチで難燃素材の開発を行ってきたが、2018FWシーズンのTAKIBIシリーズに使用される素材が、これまでの集大成にあたる。難燃素材の代名詞的な存在として、アラミドという素材がある。そのアラミドの中でも特に耐熱性が強い消防服などにも使用されるメタ系アラミドを生地全体の98%に使用して今季のTAKIBIシリーズの生地は作られており、生地組織も引き裂きに強いリップストップを採用。生地厚も着心地を損ねない、ハリ感の中に適度な柔らかさとしなやかさを持たせた絶妙な肉感に仕上げている。
この素材を使用し、2018FWシーズンはカバーオール、パンツ、ベスト、ダウンジャケットの4アイテムを展開している。秋口から冬まで、焚火がより恋しくなる季節に合わせてディティールもテントの設営や常時使用する携帯ギアの収納力、取り出しやすさ、寒暖の激しいフィールドに対応できるレイヤリング性を考えてミニマルにデザインされたアイテム群は、そのままの格好で街に繰り出しても日常着として機能する。
焚火という人と人とがつながる文化をより深く、次の世代、また次の世代へと継承していけるようマテリアルの部分でも、思いをのせて開発していき、服としてのデザインに落とし込む。スノーピークアパレルはこのような理念、信念を基に作られています。是非店頭にお越し頂き、実際に触って、試着して、フィールドで使って頂けると感じて頂けるものがあると思います。今年の秋から冬かけてのキャンプは、焚火がより身近で恋しくなりそうです。

Development of fire resistant material
Development of fire resistant material
Development of fire resistant material
菅 純哉(企画開発本部 Apparel企画開発部 開発課)
すが・じゅんや/文化服装学院卒業後、国内のコレクションブランドを主とするテキスタイルメーカーで織物の企画、生産を経験後、スノーピークに入社。様々なモノの蒐集癖があり、混沌の坩堝のようなコレクションがスノーピークアパレルの素材開発のインスピレーションに欠かせないものとなっているらしい。